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2011年08月のバックナンバー記事

茶筅の里へ行ってきました
毎日、暑い日が続いております。
お盆を過ぎれば少しは猛暑も弱まるでしょうか・・?
今が一番、暑い時ですね。

さて、暑いとどうしても山や森に行って涼みたくなってきますが、
先日ふと、奈良県の生駒市へ行って参りました。
「茶筅の里」と呼ばれているところです。

今回は茶筅がテーマなのですが、
生駒山が見えるところなら、どこでもお話出来ると思います。

茶筅の産地はガイドさんはご存知と思いますが
奈良県生駒市の高山というところで
昔から「茶筌師」と呼ばれる家がたくさんあり、
現在でも年に約80万本ほどの茶筅や茶道具が作られているのです。
その量は、国内産シェア90%以上を占めています。

茶筅とは、茶道において抹茶を点てるのに使用する茶道具のひとつで、
湯を加えた抹茶を茶碗の中でかき回して均一に分散させるための道具です。
通常は12cm弱くらいの大きさですが、
奈良の西大寺の行事で使われる茶筅は約36cmほどもあって有名です。
茶筅は、今から五百年余り以前の足利義政の時代、
つまり室町時代後期に茶道と共に奈良で生まれました。

テレビなどでお茶を点てる際に茶筅を使うしぐさは
とても優雅ですよね。
4本の指で茶筅を持って振りますが、手首にスナップを利かせるのが
ポイントのようで、こうするとキメ細かい泡が立つそうです。
クリーミーな泡立ちほど、お茶が甘く美味しく感じます。

この茶筅の振り方も表千家と裏千家では異なるそうで、
表千家では茶筅をやや寝かせ、裏千家は茶筅を立てて振るとか。
こうした茶筅の振り方ひとつで、お茶の味が違うとは、
何とも奥が深いですね。

ところで、茶筌は竹の種類や穂の形、穂数、竹の太さや長さ、糸の色など
様々な条件によって区別されているのですが、
その中でも穂の数というのは16本から120本まであり、
64本が標準といわれています。
穂数が少なければコシの強い茶筅となり、
穂数が多いとキメ細かい茶筅になるのです。
一般的に濃いお茶を点てる際には穂数が少ないものを、
薄いお茶を点てる時には穂数の多いものを使用するそうですが、
作る難しさはやはり穂数が多い方が、より高い技術が必要なのだそうです。

高山では、毎年2月頃に茶筅づくりに使用する竹(主にハチクを使用)を
干してある風景を見ることが出来ますが、
これを「竹の寒干し」といいます。
この寒干しが終わると、ひとつずつ手作業で、
茶筅が作られていくのですが、
現在では伝統工芸に指定されている、職人さんの高度な技術です。

最近では、通常の茶筅だけでなく、「茶筅マドラー」なる
少し柄の長いものも売られていて、
これで牛乳を泡立てて、コーヒーを注ぐと
とってもキメ細かい泡立ちの「カフェラテ」になるとかで人気なのだそうです。
う〜ん、ぜひ、やってみたいですね。
(2011.08.10)

 
 
   
 
 
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