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来年行なわれる式年遷宮について
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さて、2012年も早いもので2月ですね。 2008年に新名神高速道路の大津JCTから亀山西JCTまで開通してから 伊勢方面へ観光される方がとても多くなったとか、 来年は式年遷宮を控えていますし、 ますます注目のエリアですね。
ところで式年遷宮の第一回目はいつ行なわれたのかご存知でしょうか? それは、今から約1300年前に第40代天武(てんむ)天皇がお定めになり、 西暦690年に 第1回目の御遷宮が行なわれました。
そもそも式年遷宮とは、という事については、 お客様にわかりやすくご説明する必要があると思いますが、 伊勢神宮の内宮・外宮ともそれぞれの東と西に同じ広さの敷地があって、 20年ごとに同じ形の社殿を交互に新しく造り替えることです。 20年ごとに新しくなる、ということが行なわれているのは 日本だけで、世界に例はないそうです。
つまり、神宮の「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)と呼ぶ」は、 いつでも新しい、変わらない姿をに造り替えることによって、 第一回目の原形をそのままに、ずっと続けられることに 「永遠」という意味と奥深さがあるのです。
この式年遷宮に使用される御用材(材木)ですが、 中には直径1メートル余、樹齢400年以上の巨木もあり、 木曽の御杣山(みそまやま)で正式に伐りはじめ、長野県、岐阜県から良材が運ばれ、 御造営用材の伐採は神宮の領域にある御杣山で行なわれます。 ちなみに屋根に葺く萱も神宮の萱山で10年がかりで集めるそうです。
こうして行なわれる式年遷宮で古い方で残った材木はどうするのか? それは、宇治橋の前後にある2つの大きな鳥居、 この柱は、内宮と外宮の御正殿の棟持柱であった材木が使われています。 またさらに20年後、そのまた20年後と 古来から由緒の深い全国の神社にムダなく活用されているのです。
また、新しい社殿は、すべて木組みで造られるという事でもなく、 釘も使われていますが、今では非常に貴重な和釘や和鎹(かすがい)など、 日本古来の釘が使用されます。 この釘を始めとする金具は新潟県の三条市で作られているのですが、 来年の式年遷宮のために使われるものは すでに2008年に出荷されています。
こうして多くの人が関わって行なわれる式年遷宮は 大変、経費がかかるものですが、 ちなみに前回、平成5年の第61回式年遷宮の経費は327億円でした。
(2012.02.25) |
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