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飛鳥大仏について
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皆さん、こんにちは。 いよいよ秋の観光シーズンがやってきますね。 ですが9月はまだまだ暑く、東方面への仕事の帰り道は西日が辛いですね。
さて、今回はこれからの季節、修学旅行生も多くなる奈良の話題です。 奈良観光というと、東大寺のある奈良公園の次に訪ねる機会 が多い場所は飛鳥です。 飛鳥でも、通常は石舞台古墳や高松塚古墳がモデルコースとなりますが、 もし、機会があればガイドさんに一度は訪ねて頂きたい場所、 それは「飛鳥寺」です。 飛鳥寺は596年、蘇我馬子が発願して創建された、何と日本最古のお寺です。 今の飛鳥寺はこじんまりとした佇まいではあるのですが、 近年の発掘調査で、東西200m、南北300m、立派な金堂や回廊がある、 一塔三金堂式の伽藍配置といいますから、 かなりの大寺院であったようです。
本尊は、有名な飛鳥大仏です。 606年に推古天皇が中国渡来した止利仏師(とりぶっし)に造らせたもので、 東大寺の大仏と比べると、何と驚きの150年も前のものです。 この飛鳥大仏、飛鳥寺に行くと、本当に近くまで行って拝顔することが出来ます。 約4.85mですので、ビックリするほど大きくはないのですが、 大仏様の顔や全体の造りにはやはり様々な特徴が見られます。 特に、手の指と指の間ですが、鳥のようなひだがあるのですが、 これは何人たりとも救うという意味があるそうです。 また、近くで見るとわかるのですが、この大仏様は損傷が激しく、 これまでに多くの修復が加えられたことがわかります。 大きな火災や、一時は雨ざらしになっていた事もあり、 最終的には頭と指の一部しかなかったのですが その後の発掘作業などにより、修復が進められました。 しかし、その姿を見るにつけ、長い年月の間、何度も災難や危機に直面しつつ、 今、目の前で見ることが出来ることに感謝ですね。
近年では、エックス線撮影も行なわれて、 当初のものと思われる部分は、頭部の額右手の人差し指、中指、薬指、 だけだそうです。
また、もうひとつ感動してしまうのは、この大仏様は石で造られた台座の上に 安置されているのですが、この台座は創建当時から場所が動いていないのだそうです。 ですから、この台座は最初からこの大仏様を安置するために造られた、 ということですね。これも感慨深いことです。 通常は銅で作られた仏像を石の台座に安置するのは不自然で、 銅の仏像には銅製の台座なのです。 これは一説に、銅で造られた仏像のの重量を支えられる銅製台座を作る技術が なかったのではないかと言われているようです。 いずれにしても、この日本最古の大仏様については一度、 皆さんにも訪ねて頂きたい場所です。 ちなみに日本の三大仏のひとつです。 あと2つは東大寺の大仏と鎌倉大仏です。
(2012.08.25) |
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