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2012年10月のバックナンバー記事

平等院鳳凰堂の大修理が行われます
皆さん、こんにちは。
いよいよ今年もあと僅かとなりました。
紅葉もこれからの時期は見頃となるようですね。
過ごしやすい季節なので、先日は世界遺産の平等院へ行ってきました。
なぜ平等院かといいますと、56年ぶりの大規模修理が行われるからです。
すでに素屋根にすっぽりと覆われていますが、
この素屋根、約5,000本の丸太を使って、針金だけで組み上げています。
今回の修理では柱の塗り直しや屋根のふき替えが行われるそうです。
なお、修理は2014年9月までの予定です。

私がガイドになりたての頃、研修で京都を訪ねた際、
お寺をたくさん見過ぎて、最後にはもうどこが何のお寺だったか
わからなくなるのですが、清水寺や金閣寺など定番のお寺と合わせて、
この平等院だけは何故か鮮明に覚えているのです。
10円玉に描かれていたからでしょうか?

この平等院は、平安時代後期に、時の関白藤原頼通によって建立されました。
非常に貴重な建築ですが、最も大きな特徴は池の中島に建てられていることで、
あたかも極楽浄土を表現したかのように、その姿を一度見ると、
やはり心に残る美しさです。

鳳凰堂には、平安時代の最高の仏師定朝によって作られた、
阿弥陀如来坐像が安置されていますが、
仏像もさることながら、周囲の壁に、雲中供養菩薩という、
雲に乗り、楽器を奏でる仏像が52体かけられていて、
さらに天井には計66個の銅製鏡が吊り下げられ、夜には灯明の光を反射して、
幻想的だったのではないかと感じられます。
これらも合わせて極楽を表現されており、とても美しいものです。

仏像も光背も寄木作りで作られているのですが
修理をした際にわかったらしいのですが、継ぎ目がわからない程、
素晴らしい造りをしているとのことです。

さて、新人だった私の目に残った、この仏像ですが、
高さは278.8cm、そういえば大原三千院の手を差し伸べて下さっている阿弥陀様も
心に強く残っていますが、こちらは少し背を丸めて、目線は真っ直ぐ前を向かず、
伏し目がち、とても柔らかく、やさしい表情をされています。

この仏像のお顔部分の正面には小窓がつけられていて、この窓を開ければ
池の向こうからでも仏様のお顔を見ることが出来ます。
ガイドの皆さんはご存知かと思いますが、
仏像の額に、丸いものがあって、これを「白毫」と呼びますね。
これって「毛」なのです。
人間と仏様の異なる部分というのが32ヶ所あり、
これを三十二相といいますが、その一つです。
ちなみに他には、
指が長い、手足の指の間に水かきがある、身体の毛がすべて上向きに生えている、
歯が40本ある、舌が長くて髪の生え際まで届く、などの違いがあります。

この「白毫」ですが、鳳凰堂の中で仏像を見ると普通なのですが、
一旦、外に出て見ると、光を発します。
仏像によっては宝石が埋め込まれているものもあります。
まるでウルトラマンのようですね。

平等院というのはツアーなどではあまりコースに入っていませんので、
金閣寺や銀閣寺のように、仕事で何度も行くことはないと思いますが、
平等院は1000年の都、特に華やかなりし頃の時代をしのぶ事ができる
唯一の遺構ですから、一度ゆっくり訪ねてみては如何でしょうか?
(2012.10.25)

 
 
   
 
 
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