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滋賀県の三井寺で歴史ロマンを感じて
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皆さん、こんにちは! いよいよ師走、12月となりましたね。 各地で初雪も観測され、本格的な冬の訪れです。
さて今回は、室町時代に思いをはせる、歴史ロマンです。 滋賀県の大津市にある有名なお寺、といえば三井寺ですが、 この三井寺には、室町時代前期に造られた木造の地蔵菩薩像があります。 全部で3体あり、その内、金堂にある1体の中、 つまり仏像の内部ですが、大変な物が入っているかもしれない事がわかりました。 この地蔵菩薩像は小さいです。 高さが約42cmくらいなのですが、首のところが布でふさいだようになっていて、 何かが入っているかもしれない、という事でエックス線撮影したそうです。
地蔵菩薩増については、室町幕府初代将軍である足利尊氏や2代将軍の足利義詮の 信仰があつかった事で知られているのですが、 特に足利尊氏は、この三井寺の金堂を再建していますし、 三井寺との関係も深かったようです。
お話は戻りますが、エックス線撮影の結果、 何と、和紙が折りたたまれたようなものが写っていたことから、 尊氏か義詮の毛髪が包まれているのではないか、という事です。 というのは、三井寺に残る「園城寺文書」に、 尊氏が亡くなった際の例に従い、地蔵菩薩に義詮の髪を入れて 寺に納めたとの記述があるそうですので、 これが本当だったということでしょうか、 何だかワクワクするお話ではありませんか? 仏像の制作時期も、ちょうど合致しているそうですよ。
ただし、本当に中に毛髪があるかどうかまでは現時点ではわからず、 仏像の修復時期がくるまでは、このままだそうです。 それは、何十年も先のことらしいので、 少し遠いお話です。
でも当時は、弔いの儀式として、亡くなった人の髪の毛を、 仏像に納めてお寺などに奉納する習わしのようなものがあったとか。
そういった事を考えていると、本当にすごいですね。 私は歴史好きなので、こういうお話を聞くと 興味深々で、2週間ほどの間、この地蔵菩薩像とエックス線画像が 展示されている、という事を聞き、 実際に見に行ってきました。
小さな地蔵菩薩像なので、頭部の中の一部、というより、 頭部全体にけっこう大きな紙のようなものが写っていて、 しばらく、眺めておりました。
この時代の仏像というのは、内部が「くり抜き」になっているものが 多いのですが、この仏像の場合は頭部もくり抜きになっていたので、 その可能性が高い、と判断されたのでしょう。
いや、本当に珍しい発見で感動ですね。
(2012.11.25) |
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