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2016年02月のバックナンバー記事

鳥取市用瀬町の流し雛
皆さん、こんにちは。2月も下旬となり、間もなく春の訪れですね。
今月は幾分か、暖かい日がありましたが、観光シーズンももうすぐです。
さて、春といえば各地で行事がたくさんありますが、鳥取砂丘へ行く道中、
用瀬というところで、皆さん必ず「雛流し」のお話をされると思うのですが、
だいたい通りすがりで、なかなかその日に行くことは少ないですよね、

実は私、後にも先にも1回だけですが、雛流しの日に仕事のコースに
入っていて、行ったことがあります。

53号線を鳥取方面に向けて進むと、左側に赤い欄干の橋が見えてきます。
用瀬のひな流しは、その橋のたもとで行われているのですが、
橋の向こう側に見える変わった建物が「流しびなの館」です。

旧暦の三月三日に紙で作ったお雛様と菱餅などを桟俵に乗せて、
桃の小枝も添えて千代川に流します。
1年間、無病息災で過ごせますようにと願う女の子のお祭りです。
ちなみに今年、2016年は4月9日の土曜日に行なわれます。
桟俵は「さんだわら」と読みますが、米俵の両端にある、
丸い形の、いわゆるわらで出来た「ふた」です。

この雛流しは、県の無形民俗文化財に指定されていますが、
雛流しという行事自体、かなり古くから行なわれていて、
そもそも源氏物語にも書かれているようですね、
源氏の君が須磨の海に流した、というのですから
遠く平安時代からの歴史を持つ行事なのかもしれません。

昭和44年には、山口誓子が用瀬を訪れて、
自ら雛流しをされたそうで、流しびなの館の庭園に句碑が残されています。

瀬の曲りなぞりて 雛の流れゆく

千代川というのは、かなり屈曲が多くて、流し雛が自然の起伏に富んだ
川にゆっくりと流れていく様子を句にしたのですね、

ところで橋の向こう側にある「流しびなの館」は、
室町時代の京都金閣寺を模して造られた木造建築の建物です。
内部には1,000体のお雛様を展示してあります。

私が訪れた時には、勉強を兼ねて当然のことながら
見学をさせて頂きましたが、いろいろご親切に説明をして下さって、
本当に素晴らしい展示でした。
古いお雛様から新しいものまで、時代の変遷を感じました。

また、流しびなの日は、特別公開として、一般のご家庭で飾っている
お雛様を見学させて頂くことも出来るんですよ。
それに、当日見学に来られた一般の方でも、紙のお雛様を購入すれば
雛流しをすることができます。
(2016.02.25)

 
 
   
 
 
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