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2016年04月のバックナンバー記事

京都「宝鏡寺」にまつわるお話
皆さん、こんにちは。
春もたけなわ、良い日和が続いています。
各地の観光地も賑わっているようですが、
今回はひとつ、花とお寺についてのお話です。

京都には、様々な歴史と特徴を持つお寺が多いですが、
皆さんは「人形寺」をご存じかと思います。
正式には宝鏡寺という名のお寺ですが、歴代の皇女様が過ごされたお寺であり、
御所より人形が贈られたり、由緒ある人形を多く保存していることから
別名、人形寺と呼ばれています。

ところで、人形寺としての宝鏡寺もさることながら、
このお寺は、日野富子ゆかりのお寺としても知られています。
日野富子と申しますと、銀閣寺を建立した足利義政の奥方ですね、
跡目争いの果て、応仁の乱を招くことになってしまった云々のお話はさておき、
日野富子は、応仁の乱の後、出家して宝鏡寺に隣接していた大慈院に
入ったため、こちらには富子の木造があります。
また、後のことですが、富子の娘が宝鏡寺の住職を務めています。

また、お話は変わりますが、宝鏡寺は円山応挙、円山応震にもゆかりがあります。
円山応震は応挙の孫にあたる人で、曾孫の応立の絵もあります。
丸山派の作品を、ひとつのお寺で一堂に見ることができるのは大変珍しいことです。

非常に保存状態の良い襖絵など、多く見ることができるのですが、
特に有名なのは「四季耕作図」です。
四季折々の、農村の様子が描かれていて、
このお寺には歴代の皇女様が入られたこともあり、
世の中の様子をなかなか見ることができないことから、
教育の一環として、そのような絵が描かれたといわれています。
なお、なぜここに応挙の絵があるのか・・・
応挙がまだまだ無名だった頃、ちょうど入寺されていた皇女様が
援助をなさったとのことで、円山派の作品が残されているとか。

さてもうひとつ、ここには珍しいお花があります。
それは、「月光椿」です。
ゲッコウツバキ、ではなくガッコウツバキと読みます。
「日光椿」という椿は同じく京都の霊鑑寺が有名です。
日光椿はニッコウツバキではなくジッコウツバキです。

とはいえ、新人の皆さん、説明で日光菩薩をジッコウボサツと
読んではいけません。
日光菩薩はニッコウボサツ、月光菩薩は、ゲッコウボサツ、
ではなくガッコウボサツですので間違えないようにしましょう。

お話が逸れましたが、「月光椿」と「日光椿、」普通の椿は
花芯の部分が違っていて、普通の椿は花芯が黄色ですが、
日光椿は花芯が花びらと同じで赤く、月光椿は白いのです。
月光椿の写真がありましたので掲載しておきますね。
(2016.04.25)

 
 
   
 
 
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