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2016年07月のバックナンバー記事

鳴門の灰ワカメ〜生産者の減少
皆さん、こんにちは。
暑い日が続いていますが、これから今年も夏、本番ですね。
さて、今回は夏バテ防止にも功を奏するといわれる「ワカメ」のお話です。

私がバスガイドになってから、特にお気に入りのワカメは、
やはり、「鳴門のワカメ」です。
皆さんもおそらく同じかと思いますが、
その鳴門のワカメの中でも、一番のお気に入りは「灰ワカメ」です。

灰ワカメ、または灰干しワカメとも呼ばれますが、
昔、鳴門の行商人、前川文二郎が間違って、灰の中にワカメを
落としてしまい、急いできれいに洗って干したのですが、
従来のワカメよりも色が鮮やかなことに気付いた、というお話があります。
ワカメを湯通しする代わりに灰でまぶす、というこの製法は、
古くは江戸時代から行われているそうです。

「灰」は、わらなどを燃やして作る草木灰ですが、
この方法が非常に手間がかかること、
また、平成12年に施行されたダイオキシン対策法により、
灰の確保が難しいとのこと、現在では灰干しワカメの生産が
出来ない状況にあるとのことなのです。
特に、ここ10年くらいで、生産者は5分の1に減少しているそうなので、
何とか、伝統製法を残していけると良いのですが、
地元では日々、新しい製法での「灰」を開発する研究も
行われているようです。

ところで灰ワカメとは、何がそんなに良いのでしょうか?

まず、ワカメに付いた灰が水分を吸収したり、灰のおかげで
葉同士がくっつきにくくなるため、水分をより蒸発させることができる。

次に、灰が付くと、太陽光線を遮るため、紫外線による影響が
減少し、クロロフィルの分解が抑えられるため、鮮やかな緑色になる。

また、湯通しなどの加熱をしないために、香りの保存性が良い、
歯ごたえが良くなる、などのメリットがあります。

私たちが例えば、鳴門で灰わかめを購入して持ち帰ると、
冷蔵庫ではなく、常温で何と1年、保存することができるとか、
これもカビの発生を防ぐ「灰」のおかげなのですね。

食べる時には、水洗いをして灰をよく落とし、
その後、お料理に使って下さいね。
湯通しをしないで使用した方が、灰ワカメの歯ごたえや、
香りが楽しめるそうです。

ぜひ、お客様にもご紹介いたしましょう。
(2016.07.25)

 
 
   
 
 
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