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鳴門の灰ワカメ〜生産者の減少
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皆さん、こんにちは。 暑い日が続いていますが、これから今年も夏、本番ですね。 さて、今回は夏バテ防止にも功を奏するといわれる「ワカメ」のお話です。
私がバスガイドになってから、特にお気に入りのワカメは、 やはり、「鳴門のワカメ」です。 皆さんもおそらく同じかと思いますが、 その鳴門のワカメの中でも、一番のお気に入りは「灰ワカメ」です。
灰ワカメ、または灰干しワカメとも呼ばれますが、 昔、鳴門の行商人、前川文二郎が間違って、灰の中にワカメを 落としてしまい、急いできれいに洗って干したのですが、 従来のワカメよりも色が鮮やかなことに気付いた、というお話があります。 ワカメを湯通しする代わりに灰でまぶす、というこの製法は、 古くは江戸時代から行われているそうです。
「灰」は、わらなどを燃やして作る草木灰ですが、 この方法が非常に手間がかかること、 また、平成12年に施行されたダイオキシン対策法により、 灰の確保が難しいとのこと、現在では灰干しワカメの生産が 出来ない状況にあるとのことなのです。 特に、ここ10年くらいで、生産者は5分の1に減少しているそうなので、 何とか、伝統製法を残していけると良いのですが、 地元では日々、新しい製法での「灰」を開発する研究も 行われているようです。
ところで灰ワカメとは、何がそんなに良いのでしょうか?
まず、ワカメに付いた灰が水分を吸収したり、灰のおかげで 葉同士がくっつきにくくなるため、水分をより蒸発させることができる。
次に、灰が付くと、太陽光線を遮るため、紫外線による影響が 減少し、クロロフィルの分解が抑えられるため、鮮やかな緑色になる。
また、湯通しなどの加熱をしないために、香りの保存性が良い、 歯ごたえが良くなる、などのメリットがあります。
私たちが例えば、鳴門で灰わかめを購入して持ち帰ると、 冷蔵庫ではなく、常温で何と1年、保存することができるとか、 これもカビの発生を防ぐ「灰」のおかげなのですね。
食べる時には、水洗いをして灰をよく落とし、 その後、お料理に使って下さいね。 湯通しをしないで使用した方が、灰ワカメの歯ごたえや、 香りが楽しめるそうです。
ぜひ、お客様にもご紹介いたしましょう。
(2016.07.25) |
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