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2017年01月のバックナンバー記事

人魚の伝説が伝わる琵琶湖の願成寺
皆さん、こんにちは。まだまだ寒い日が続いておりますが、
春が待ち遠しい今日この頃、早く暖かくなるといいですね。

さて、今回はタイトルの如く、「人魚寺」についてですが、
名神高速道路、よく休憩にも利用する菩提寺P・Aを過ぎて、八日市ICまでの間の
左側に、曹洞宗の願成寺というお寺があります。
このお寺は非常に古い歴史を持っており、開創は推古天皇二十七年といいますから
今から約1400年前、聖徳太子が創建したと伝えられます。

日本書紀に「琵琶湖に通づる蒲生川に魚でも人でもないものがいた」と
記されているとのこと、つまり、日本でおそらく最古の人魚伝説が
伝わるのが、この願成寺というお寺なのです。

昔々、願成寺にそれは美しい尼僧がいたそうです。
やがて、いつしか一人の小姓がやってきて、僧の世話をし始めました。
村人たちは、この小姓がどこからやってきているのだろう?と
不思議に思っていましたが、やはり何か怪しい、と思い、
村人たちがある日、小姓のあとをつけると、
願成寺近くの佐久良川でふっと姿を消してしまいます。
村人たちは、いよいよ正体を怪しみ、何日か後をつけてみるのですが、
何度つけていっても、川の淵でいなくなるのです。

ついには川に舟を出し、川底をさらってみると、
何と、人魚が網にかかり、調べてみると、その人魚が
小姓に姿を変えて、願成寺に僧に近づいたことがわかりました。

尼僧に近づくなど、何という悪い人魚なのだ!と
村人たちは怒り、とうとう人魚をミイラにしてしまったのです。
しかし、その人魚のミイラが夜な夜な鳴き声を上げて
泣くようになり、村にも災いが起こるようになったため、
尼僧がいた願成寺で供養し、ミイラはお寺に預けられたとか。

実はそのミイラ、本当に願成寺に安置されています。
身長?長さ?は72cm、世の中に災いが起こるとして
一切非公開です。

ところで、この伝説に出てくる小姓、実は3人兄弟だったと
されるのですが、皆さんは高野山のふもと、橋本市にある
「学文路苅萱堂」(かむろかるかやどう)をご存知でしょうか?
関西のバスガイドさんはご存知の方も多いかもしれませんが、
そう、石童丸の伝説で知られるお堂です。

実はその苅萱堂には滋賀の願成寺と同じく、長さ60cmの
人魚のミイラが安置されているのですが、
それは、願成寺近くの佐久良川の淵にいた3人の小姓(人魚)の内の
一体で、石童丸の母、千里ノ前に受け継がれたもので、
日々、千里ノ前が信仰していたものと言われています。

私達は人魚、と聞くと、アンデルセンの童話に出てきそうな
可愛らしくて、美しい姿を想像しますが、
昔、日本ではあまり良くないもの、災いをもたらすもの、として
供養をする対象だったようです。

ちなみに学文路苅萱堂では、申込みをすれば、
人魚のミイラを拝観することができます。

また、人魚と言えばもうひとつ、福井にも伝説があります。
何と人魚の肉を食べて不老不死となった「八百比丘尼」のお話、
こちらはまた、次回詳しくご紹介しますね。
(2017.01.25)

 
 
   
 
 
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