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2017年02月のバックナンバー記事

酒はのめのめ飲むならば〜、春ですね
皆さん、こんにちは!
そろそろ梅の花も咲き、春を迎えるばかりの今日この頃、
春は観光シーズンの幕開けですね!
そして、お花見の時期も本当に楽しみです。

ということで、今回は「お酒」がテーマです。
日本の酒どころ3ヶ所、と言えばガイドの皆さんはご存知ですね、

兵庫県の「灘」の酒、京都府の「伏見」の酒、
そして、私たちの本拠地である広島県の「西条」の酒です。

広島は、酒造りに欠かせない水に恵まれた土地です。
ですが、他の酒どころと異なる点があり、
それは、水の性質が「軟水」だということです。

酵母というのは、ミネラル分を栄養として発酵します。
他のものでは、例えばパン、
パンにはイースト菌が必要なのですが、
イースト菌は、糖分を栄養として発酵が進みます。

ところが、軟水はミネラル成分が少ないため、
非常に酒造りが難しいのです。

皆さんは、三浦仙三郎という人をご存じでしょうか?
この方は、軟水醸造法を確立した方で、
広島、西条における吟醸酒の産みの親です。
安芸津に生まれた方で、安芸津で酒造業を始めました。
ところが、作る酒は失敗続きで、
かなりの損失を出したと言います。
その後、その失敗の原因は水だ!とわかり、
実験を繰り返し、ついに明治31年(1898年)、
軟水醸造法を見出しました。
後、この方法は、「三浦式醸造法」と呼ばれています。

広島の西条という場所は、酒造りを行う寒い時期、
特に仕込みの頃に、気温が4〜5℃になりますので、
これが非常に理想的な環境なので、
広島の酒どころの中心として栄えています。
毎年10月には盛大に「酒まつり」が行われ、
全国から多くの人が訪れます。

★-----広島の代表的な酒銘柄-----★


白牡丹・賀茂鶴・福美人・菱正宗・千福・雨後の月
一代・同期の桜・蓬莱鶴・八幡川・・etc
まだまだありますが、お客様にも知っている方は
多いはずですので、クイズにしてもいいですね。

ところで、宴席に欠かせないのがこの歌!
「酒はのめのめ飲むならば 日の本一のこの槍を
飲み取るほどに飲むならば これぞまことの黒田武士」

ご存じ「黒田ぶし」ですね、

広島藩は、浅野のお殿様がいらっしゃるまで、
福島正則が藩主だった時期があるのですが、
ある日のこと、福岡の黒田藩から母里太兵衛という
武将がやってきました。
※母里太兵衛の像が福岡の博多駅前にあります。

さて、この人が大変な酒豪だという評判を聞いていた正則は、
広島城に到着するなり、太兵衛に酒を勧めます。
一方、黒田長政から決して酒を飲むな!と言われていた
太兵衛、正則からの誘いを断ります。
ところが、「黒田武士は酒に弱いのじゃのう!」と正則に言われたり、
さらには「もし、この杯を飲み干せば、何なりと褒美をやろう」と
言われましたので、ついに太兵衛は杯を受けることに・・。
ちなみに、その杯には何と三升もの酒が注がれていたとか、
しかしそこは、大酒豪の太兵衛のこと、軽〜く飲み干し、
「さすがは広島の酒、あまりに上手すぎて飲み干してしもうた!
では、約束の褒美を頂こう!」と正則が大切にしていた、
由緒ある「日本号」を要求します。
日本号とは、正則が、かつて秀吉から賜った「槍」のことです。
その要求に驚いた正則でしたが、武士の約束ともなれば、
断ることもできず、太兵衛に渡してしまったのです。

広島の酒が上手すぎたため、家宝の槍をせしめられてしまった正則、
その後、黒田武士は黒田「ぶし」となり、
後世に歌い継がれているとのことです。
それにしても福島正則、ちょっと失敗してしまいましたね♪
(2017.02.25)

 
 
   
 
 
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