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2017年03月のバックナンバー記事

京都清水寺 平成の大修理とは
皆さん、こんにちは。
いよいよ春本番、これから観光シーズンとなり、
多方面への仕事が増えて参ります。

そんな中、やはり京都へ訪れる機会は多いもの、
今回は、清水寺で行われている平成の大修理について書いておきたいと思います。

この度の大修理、メインは「屋根」ですが、本堂を含めた9棟で行われます。
清水寺の本堂は、ご存知の通り国宝に指定されており、屋根は檜皮ぶきです。
※「ひわだ」と読みます。
檜皮は、漢字の通り「ヒノキの皮」ですが、
伝統的な建造物には、よく檜皮ぶきという工法で屋根が造られていますが、
私達の近くでは、瑠璃光寺の五重塔、出雲大社、
そうそう、厳島神社もそうです。
今度、じーっとよく見てみて下さいね。

横幅15cmくらいの檜皮を1枚ずつ、重ねつつ、少しずらしながら、
竹の釘を使って葺いていくのですが、
大変、手間がかかる作業であることは言うまでもありません。
この工法を用いると、重厚感のある美しい曲線を形作ることができ、
耐久性にも優れています。

なお、竹釘ですが、「竹釘師」という専門の職人さんがいらっしゃり、
非常に高度な技術で製作されています。
本数も、何千本も必要です。
檜皮ぶきの作業をテレビか何かでもご覧になられた方は
ご存知かと思いますが、檜皮ぶき職人さんは、
この竹釘をたくさん口にくわえて移動しながら葺いていくので、
太さも均一にしなければならないだけでなく、
竹釘の表面も、均等のなめらかさが求められるとか。
長年の経験と技が活きているのですね。

さて、清水寺の大修理ですが、何と2008年から準備を始め、
本堂の屋根は全面葺替えです。
前回は、1964年から1967年に行われましたので、
約50年ぶり、ということですね。
なお、今回の修理が完了するのは、2020年の3月とのこと、

従って、これから葺替え作業が本格的になるので、
今年の春は、建物を守るための素屋根が作られる途中になると
思われまして、6月頃には素屋根で覆われる状態になりますが、
工事中、清水の舞台には入ることができます。
※修復を行う9棟の総事業費は40億円

ところで、檜皮ぶきに使用される檜皮について
通常のものでは75cmくらい、前回も75cm、厚み1.5mmだったそうですが、
今回の大修理では江戸時代の工法に従って、通常よりも長く厚い、
長さ97p、厚み2.1mmのものが使われて、より重厚感が出せるとか、
つまり、江戸時代の屋根が蘇る、ということですね。
(2017.03.25)

 
 
   
 
 
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