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京都の門跡寺院とは?
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皆さん、こんにちは。 春たけなわの今日この頃、観光シーズンがやってきました! これからの季節はどこに行っても人出が多くなりますね。
さて、今回は、門跡寺院についてです。 私は、京都の市街地に入る前、必ず門跡寺院についてのご案内をします。
門跡とは、通常のお寺と異なり、皇族が住職をつとめている寺院のことです。 いつから皇族が住職をつとめるようになったのでしょうか? それは、仏教が力を持つようになった、今からおよそ1,200年前、 皆さんもご存知のように、桓武天皇により平安遷都が行われました。 それは、あまりにも大きくなった仏教勢力を抑えるためだった、 と言われていますね。 その後、100年ほど経過した頃、再び仏教の力が政治に結びつくようになった 時代がありました。 その始まりは宇多天皇です。 宇多天皇は、教科書にも載っている阿衡事件(あこうじけんと読みます)で 藤原氏の力が大きくなり、政治が非常にやりにくくなった頃、 出家して寛平法皇となり、京都に仁和寺を建立しました。 そして、仁和寺に僧坊を作ったのです。 その僧坊のことを、「御室」といいます。 御室の仁和寺、有名な桜は御室の桜、と呼ばれますよね。
その後、皇族が住職となり、皇族と深い関わりのある寺院が増えましたが、 それら寺院のことを、門跡寺院と呼びます。
とりわけ有名な、京都の門跡寺院を記載しておきますので 覚えておきましょう。
仁和寺、醍醐寺、妙法院、三千院、青蓮院、三十三間堂、曼殊院
門跡寺院 = 皇室に由来、保護されてきたお寺です。
京都の市街地をバスで走っていると、様々なお寺の 築地塀(ついじべい)が見えます。 この築地塀には、まっすぐな白い線があり、これを定規筋と呼びます。 3本、4本、5本があり、最も格式の高い寺院は5本線です。 当然、門跡寺院は5本線となっているのですが、 京都御所や二条城にも見られます。
京都の観光では、そういった点も気をつけて見てみて下さいね、 とお客様にご案内しますと、きっと興味を持って下さると思います。 特に修学旅行生、5本線のお寺を見つけたら、そこはすごいお寺だよ! と言うと、あ、5本線あった!と言ってくれたり、 聞いていないようでも、意外にもちゃんと聞いてくれているんだなぁ〜(笑) と感動しますよ。
ちなみに、お客様にはっきりと車窓から5本線を見せるには、 例えば金閣寺を出発して、北大路通りを東へいくと、すぐ左手に 大徳寺の築地塀が見えます。 少し長い築地塀なので、説明しやすいと思います。
また、お客様が興味を持って下さると言えば、 名神高速道路の、京都南IC手前、ちょうど桂川を渡った後、 右前方に伏見桃山城が見えますので、その説明をしたら、 引き続いて東山36峰が前方左に見えますので、 「蒲団着て寝たる姿や東山」という句と、 人が布団を着て寝ている姿に見えることを説明します。 前方の左端の山が比叡山なのですが、それが顔です。 今度、写真で説明させて頂きますね。
ちなみに、布団着て・・の句は、 松尾芭蕉の弟子、服部嵐雪が江戸時代の中頃に詠んだものです。
(2017.04.25) |
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