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2017年08月のバックナンバー記事

不老長寿の桃? ?
皆さん、こんにちは!毎日暑い日が続いていますが、
夏から初秋にかけては美味しいものもたくさんありますし、
最近ではこの季節ならではの観光地も多いですね。
西日本では少ないのですが、東日本の夏は「桃狩り」ツアーのお仕事も多く、
桃の産地といえば、生産量では何といっても山梨県なのですが、
例えば、信州へ行くと「おそば」と「りんご狩り」、甲州へ行けば、
「ワイン」と「桃狩り」がコースの定番です。

ところで、桃の3大産地を書いておきましょう。
1位は山梨県、何と全国の生産量の内、3分の1以上の生産量があります。
2位は福島県、3位は長野県です。

さて、現在では数え切れないくらいの種類がある「桃」ですが、
その歴史は古く、原産地の中国では2500年前くらいから栽培されていたとか。
中国で生まれた桃の原種は、「桃」ではなく、「毛」という字を2つ並べ、
「毛毛」と呼ばれていたそうです。
きっと、私たちが知っているものよりもフサフサしていたのかもしれません。
そして、古くより邪気を払う、不老長寿の実として大切にされていました。

日本では、食用として栽培が始められたのが江戸時代といいますので、
そこまで古くはありませんが、縄文時代より種子があり、栽培の記録があります。
ただ、花を鑑賞することが目的で、食用ではなかったようです。

現在、日本で栽培されている桃は、大きく分けて白鳳系、白桃系、黄金桃系の
3つに分類することができるのですが、白鳳系はシーズンの前半に登場する、
果肉が柔らかい、ジューシーな桃です。
対して白桃系は、果肉がしっかりしていて、糖度高め、やや日持ちがする桃です。
黄金桃系は長野県で誕生した桃で、ゴールデンピーチとも呼ばれます。
何となく、柿やマンゴーにも似た美しい色をしています。

ところで、皆さんは原種に近い桃をご覧になられたことがおありでしょうか?
有名な「西遊記」に出てくる孫悟空が、9千年に1度だけ実る不思議な桃を
食べて、不老長寿になった、という一説のモデルになったもので、
「蟠桃」といいます。※ばんとう、と読みます。
とってもレアなこの蟠桃、写真を掲載しておきますね。
※写真は、クリックすると拡大できます。
写真をご覧頂くとおわかりの通り、変わった形状をしてはいますが、
食べてみると果肉も柔らかいながらもしっかりしていて、味は甘くて若干、
渋みが感じられ、それがまた珍しい味わいです。
形が平べったいので、「平桃」とも呼ばれています。
※ぴんたお、と読みます。

中国の揚子江一体で作られている原産の桃ですが、
日本では数が少ないですが、栽培されています。
孫悟空も食べた桃だと思うと、ちょっとワクワクしますね。

最後にに孫悟空の逸話ですが、
昔、天界には、蟠桃園(ばんとうえん)という桃の果樹園があったそうです。
その果樹園には、3千年に一度実る桃や、6千年に一度の桃、
さらに9千年に一度だけ実る桃など、何千本もの桃の木が植えられていました。
時に孫悟空はその頃、あちらこちらで暴れまわり、手に負えないほど
傲慢だったので、天界の玉帝が困り果て、天界の重要な職を与えれば、
大人しくなるかもしれないと思い、蟠桃園の管理をするよう命じます。
さて、この蟠桃園では、1年に一度、天界の仙女様(玉帝のお妃)の誕生日に
「蟠桃会」(ばんとうえ)という行事が行われ、不老長寿を授かると
言われる桃を食べることになっていました。
しかしその日、孫悟空は蟠桃会に招かれなかったのです。
そこで腹をたてた孫悟空は、さんざん大暴れしたあげく、
特に9千年に一度だけ実る桃を盗み食いしてしまい、蟠桃会を台無しに
してしまったのでした。
つまり、この時に孫悟空は不老長寿を手にしたのです。
その後、ますます手に負えなくなってしまった孫悟空でしたが、
さすがに如来様の神力には勝てず、三蔵法師に出会うまでの間、
五行山に閉じ込められることとなりました。

ちなみに毎年開かれいた仙女様の誕生日とは、3月3日です。
この「蟠桃会」の様子は、中国で絵画としてよく描かれているのですが、
とても美しく、天界の様子が表現されていますので、
機会がありましたら調べてご覧になってみて下さい。
(2017.08.25)

 
 
   
 
 
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