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修学旅行生への説明 ※東大寺の大仏編
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皆さん、こんにちは。 毎日、寒い日が続いていますが、早く春が来ないかなぁ〜と 思う日も時々ありますよね。 やはり季節的には「春」が一番、特に私たちの仕事にとっては、 思わず、うとうとしてしまいそうなくらいポカポカの日は お仕事も楽しいですね。
さて、春といえば定番の、私たちで言うところの「修旅」が多くなります。 最近では秋のディズニーランドや、冬にスキーなどを取り入れる学校もあるそうですが、 大阪・京都・奈良は、以前として人気があります。
そこで今回は、修学旅行のお仕事が多いガイドさん向けに、 スタンダードなところから、まずは東大寺の大仏についてです。
奈良公園に到着する前、バスを降りるまでに、下記の5点について話をしましょう。
1.奈良公園のシカについて 2017年7月に行われた頭数調査の結果:1,498頭
2.東大寺の正式名称:金光明四天王護国之寺(こんこうみょうしてんのうごこくのてら) 3.大仏の正式名称:盧舎那仏挫像(るしゃなぶつざぞう) 4.東大寺は誰が、いつ、建てたのか? 天平15年(743)に聖武天皇が造営しました。 → 何のために建てたのか? 当時は、干ばつ、飢饉、地震などの天変地異、 凶作などが起こり、大変な時代だったので、国全体を守るために、 国力を尽くして創建しました。
5.東大寺や大仏は、当時のものですか? いいえ、これまでに火災や落雷によって、何度か建物を消失していますので、 その都度、修復が繰り返されています。 大きな修復は鎌倉時代と江戸時代なのですが、創建当初のまま残っている部分(ほんの一部)、 鎌倉時代の遺構、そして、江戸時代になると、松永の乱で、殆どの建物を消失して しまったので、現在見られる殆どは江戸時代に再建されたものです。 6.大仏の大きさは? 大仏様が座られている蓮華座(れんげざ)を含めると18メートル 蓮華座の高さは約3メートルあります。 ちなみに、大仏様が立ち上がったら30メートルと言われますので、 もし、大仏様が歩けば、奈良から東京まで約6時間で歩けるらしいです。
7.大仏様の鼻の穴 ついでに大仏様の鼻の穴の大きさを言っておきましょう。37×30cmです。 大仏殿の中に、柱が四角形にくり抜かれたものがあるのですが、 その穴が、大仏様の鼻の穴とだいたい同じです。 皆さん、絶対に見てきてね〜♪と言いましょう。
その穴をくぐり抜けることができたら、無病息災と言われるのですが、 穴があいた柱があるところは、鬼門にあたる方角なので、 わざと穴をあけて、邪気を逃がす、という役割があるそうです。 大仏殿には、大きな柱がたくさんありますが、その太さも1メートル以上もあります。 創建当初は、この柱が84本も使われていました。 なお、大仏殿の東西の幅は、創建当初よりも3分の2となっています。
8.大仏様の手にある水かき 大仏様の右手の方がわかりやすいかもしれませんが、水かきがあります。 これも皆さん、よく見てきてね〜、 正しくは「縵網相(まんもうそう)といって、一人も漏らすことなく 救うことができるように、という意味があります。
9.大仏様のヘアスタイル 大仏様の頭、ヘアスタイルもしっかり見てきましょうね、 パンチパーマをかけているようなヘアスタイルをされていますが、 よく見ると、ポツポツがたくさん集まっています。 このポツポツのことを、「螺髪」(らほつ)というのですが、492個あります。 そして何と、そのポツポツのひとつは重さが1.2kgもあります。
※これまでは、966個と覚えておられたガイドさん、 2015年、レーザー光を使った最新技術で計測したところ、966個ではなく、 492個だったことがわかりました。(内9個は欠けている)
10.最後に、大仏様の眉間の間にあるホクロのようなものを見てきて下さいね。 実はこれ、ホクロではなく、「白毫(びゃくごう)」と呼ばれる「産毛」です。 毛の塊とでもいいましょうか、螺旋状にクルクル巻いていて、 もし伸ばしてみれば、何と驚きの4.5mあって、慈悲の光を放ち、 世界を救うそうです。まるでウルトラセブンのようですね。
修学旅行生には、この10個をわかりやすく説明して差し上げると良いと思います。 奈良のコースでは、法隆寺よりも、学生の印象に残ると思われるのが大仏様、 京都ではやはり金閣寺、清水寺、というところなので、 このようにポイントを上げて、これだけは見てきてね!と言ってあげましょう。 大阪では海遊館に行く学校が多いですね。
(2017.12.25) |
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