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徳島の小松島は狸合戦の舞台??
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皆さん、こんにちは! 今年の夏は本当に暑かったですね、ようやく少し気温も下がりつつあり、 これから秋本番が何より楽しみです。
さて、今回のテーマは「たぬき」です。 広島や関西からのお仕事で、よく行くコースとして 徳島県の鳴門方面がありますが、関西からですと淡路島から、 広島からは高松側からのコース、時には逆もあったりと多彩ですね。 鳴門は昼食場所になっていることも多いですが、 その鳴門や徳島市の少し南に、小松島市というところがあります。
昔、徳島ではその昔、たぬき達の天下分け目の戦があったそうなのですが、 その舞台として知られるのが小松島市です。 町では、狸のオブジェを見ることが多く、狸合戦の舞台ということで、 世界一大きな狸(約5m)の銅像もあります。 写真を載せておきますので、ご覧になって下さいね。 ※クリックで拡大できます。
もちろん、小松島市を通らないコースでも、 どこか時間が空いた時に、車中でご案内しても良いですね。
昔々、徳島が阿波の国と呼ばれていた頃、 何でも、とっても有名な、「金長」という狸がいました。
ある日、金長は、松の大木の陰に身を潜め、 賑やかな町の様子を見ていましたところ、危うく人間たちに見つかってしまい、 あっという間に多くの人々に囲まれ、捕まえられそうになっていました。 するとそこへ、近くで染物商を営む「大和屋」の主人、茂右衛門が通りがかり、 「そんな可愛そうなことをするんじゃないよ」と 捕まえられそうになっていた狸を助けたのです。 その後、自分はまだまだ若輩者、としばらくの間、弟子の大鷹を連れ、 修行を積むため、狸の頭領、六右衛門(ろくえもん)の元へ行くのですが、 狸としての修行を懸命に頑張る金長を見た六右衛門は、 金長を信頼し、娘(鹿の子姫)と結婚して欲しい、と養子縁組を望みます。 しかし、金長はどうしても、あの日世話になった 染物商「大和屋」の茂右衛門に恩返しがしたいと考えていましたので、 頭領からの養子縁組を断り、弟子の大鷹と共に、帰路につくのです。
ところが、狸の頭領は黙っていません。 金長を、このままにしておけば、いずれ自分のやっかいな敵になる、 そのように考え、すでに小松島に向かっていた金長に対し、 大勢の刺客を差し向けます。 何より、頭領に襲われると思ってもいなかった金長でしたが、 不意に追っ手の攻撃を受け、金長をかばった大鷹が力尽きてしまいます。 その後、やっとの思いで小松島に戻ることができたのですが、 可愛い弟子の大鷹の仇討ちをするべく、仲間達を集め、 とうとう天下分け目の戦いと相成るのです。
その戦いは何日も続き、死闘が繰り広げられました。 金長は最後の力を振り絞り、ついに頭領、六右衛門を倒しましたが、 大きな傷を負ってしまい、ふらふらになりながらも、 あの時の恩人、「大和屋」の茂右衛門の元に行き、 深く、礼を述べた後、ついに力尽きたのでした。
そんな、義理堅い金長を見て感動した茂右衛門は、 後に、金長を祀る「金長神社」を建立しました。
このお話は、「金長狸合戦」として知られ、映画にも用いられました。 ジブリの作品「平成狸合戦ぽんぽこ」にも金長狸が登場します。 また、小松島市には、金長の銅像を始め、合戦で活躍した 金長の仲間たちを見ることができます。 参謀長の衛門三郎、軍師、田浦太左衛門、 金長をかばって倒れた藤の樹寺の大鷹、そして紅一点の 忍者、いえ忍者たぬき?の一本松のおたけなど。
そうそう、たぬきの頭領だった六右衛門の娘で、 金長と結婚するお話があった鹿の子姫はどうなったかって? 鹿の子姫は、金長の修行中から何かと世話を焼き、慕っていましたが、 父である六右衛門が金長を襲ったことを嘆き悲しみ、 傷心の末、川に身を投げてしまったと伝えられています。
ところで、徳島県のお土産に、有名な「金長まんじゅう」が ありますが、これは金長狸に由来しているものです。 おまんじゅうの皮はチョコレート味で、若干ココアの風味、 中身は白あん、この相性がとっても美味しいです。
金長狸のお話が初めての新人ガイドさん、徳島方面へお仕事の際、 周辺のお土産店にもあるはずですので、次回チェックしてみて下さいね。 ワカメ、すだち、ラーメン、そして金長まんじゅう、 徳島県には美味しいものもたくさんありますね。
(2018.08.25) |
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