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名阪国道のオメガカーブ?
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皆さん、こんにちは。今年も紅葉が美しい季節が近付きました。 朝晩の冷え込みもこれからが本番ですね。 さて、先日ですが、大阪から西名阪〜名阪国道を経由して三重県の四日市に 行ってきたのですが、途中、名阪国道のカーブを自分で運転してみて、 改めてドライバーさんの大変さを認識・・、
特にカーブが多いのは天理東ICから福住ICの約10kmの区間です。 かなり山の中を走ることになるのですが、 この区間は、上空から見ると、ギリシャ文字の「Ω」のようなので、 オメガカーブ、と呼ばれています。 まさに急坂、急カーブの連続で、ガイドのお仕事中ですと、 お客様の方を向いて、つまり進行方向に背を向けているので、 足にしっかり力を入れ、右手は常にどこかにつかまっていないと 遠心力がかなり大きくて大変です。
そしてまた、この名阪国道は、非常に重要なルートなので、 何しろ大型トラックがひしめくように走っていて、 バスと横並びになることも多く、その音で自分の声がかき消されます。
この区間の高低差は、約400メートルほどあるのですが、 最も急勾配な箇所は6%、自動車の専用道路としては、 6〜7%が限界値と言われていますので、相当な急坂です。
ところで、名阪国道は、延長約73km、1963年の4月に工事着工したのですが、 完成したのは1965年12月、たった千日で出来上がったため、 また、当時、建設大臣であった河野一郎氏が、無料の自動車道路を 1000日で完成させる、と公約を掲げたことから、 「千日道路」という呼び名もあります。 高速道路ではなく、一般国道で、制限速度は殆ど60kmです。
建設当時は、有料道路にするという案もあったのですが、 そのためには、インターチェンジの数、料金所の設置、 登坂車線、急勾配なオメガカーブを要する構造上の制限など、 速度問題を含む、それら様々な問題を解決するには、 大幅な工費の上積みに加え、到底、1000日では完成出来なくなることから 無料の一般道路となりました。
しかしながら、オメガカーブの箇所は、地図をご覧頂くと よくわかるのですが、かなり遠回りなルート形状になっています。 なぜ、直線にしてトンネルを作らなかったのか、と話題になりますが、 何しろ千日で開通させなければならなかった道路なので、 工費や時間がかかってしまうトンネルや橋などの設置を 避けたためと言われています。
また、先に記載いたしましたように、かなり急勾配なため、 高低差を緩和するために、あのオメガカーブになった、という 理由もあります。
高低差については、西名阪自動車道の天理IC付近が約80m、 続いて名阪国道に入り、10km先の福住ICが標高約500m、 この短い間に400メートルもグングンとひたすら登っていきます。
その山は「高峰山」といいますが、標高は632.5m 登山をされる方も多い山です。 特に、山頂からの二上山に沈む夕日が美しいことで知られます。
(2018.10.29) |
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