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2019年03月のバックナンバー記事

三上山と俵藤太(たわらのとうた)
皆さん、こんにちは。寒い冬から春へ向かい、何だか明るい気分になる季節ですね。
待ちに待った観光シーズンの到来でもあります。
私は昔から山が好きでしたので、岐阜県や長野県、春のアルペンルートなどの
コースは、回送中の景色でさえ、とても楽しみでした。
ここ7、8年ほどは、登山というほどではまったくないのですが、
初心者コースの山に登ることがあります。
2年ほど前には、体力作りのため、滋賀県の三上山にも行きました。
三上山、バスガイドの皆さんは知らない方はいらっしゃらないと思いますが、
名神高速道路からも、美しい姿を見ることができますね。
きちんと登山道がありますが、山頂までの距離が短いので、
私の遅い足でも1時間20分くらいで登りきりました。
山頂近くになると、岩がゴツゴツ、なかなかに急勾配なところも
ありましたが、子供さんと一緒に親子で登っていらっしゃる姿も
見受けられました。

三上山の標高は432メートル、低い山ではありますが、
裾野がきれいに伸びた美しい山で、「近江富士」とも呼ばれていますが、
昔から、以下のような伝説があります。

昔むかし、武勇の誉れ高い俵藤太(たわらのとうた/藤原秀郷)が、
瀬田の唐橋を渡ろうとしていたところ、一匹の大きな大蛇が寝そべり、
誰も通ることができなくなっていました。

通行人は、誰もが大蛇を見て恐れおののいていましたが、
ただ一人、俵藤太だけは大蛇などまったく気にする様子もなく、
あろうことか、大蛇を踏みつけて橋を渡ってしまったのでした。

さて、その日の夜、俵藤太が休んでいると、目の前に女人が現れ、
このように言いました。
「私は瀬田に住む竜神の娘で、大蛇に姿を変えて、あなたのような強くて
勇ましい方をずっと探しておりました。
実は、三上山に住む大ムカデが日毎、ふもとに下りてきては
悪さをするので、何とか退治して欲しいのです。」

そこで俵藤太は、その大ムカデ退治を引き受けて、
さっそく三上山へと向かいます。
聞くところによると、その大ムカデは、三上山の七巻半にもなる
大きな怪物で、俵藤太が首尾よく放った弓も、
いとも簡単に撥ね付けてしまうほどでしたが、俵藤太は、
最後に1本残った矢の先に唾をつけ、祈りを込めて放つと、
見事、大ムカデを退治することが出来たのです。
瀬田の竜神はとても喜んで、感謝の印として、
たくさんの宝物を俵藤太に持たせました。

大津市にある西国三十三所霊場として有名な「三井寺」に
弁慶の引き摺り鐘として知られる梵鐘があるのですが、
それは、俵藤太が瀬田の竜神より謝礼として受け取った中の
ひとつで、俵藤太が三井寺に寄進したといわれています。

この三上山ですが、冒頭に書きましたように、
名神高速道路から、その姿を見ることができます。
栗東インターチェンジを通過し、長い坂を下り、
その下りがけから正面に三角形の山が見えますのが三上山です。
しかしながら、最も接近するところが、
やがて野洲川を渡る前あたりから正面です。
ここが一番美しく、見せるポイントと思いますので、
新人ガイドさんは、位置を確認してみて下さいね。
菩提寺パーキングエリアの4,5km手前あたりから注意です。
野洲川を渡る前より正面→左前方となります。


(2019.03.29)

 
 
   
 
 
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