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2019年05月のバックナンバー記事

約2000年前のハスの実が?
皆さん、こんにちは。今年も少しずつ暑くなり、梅雨入りも近づいています。
7月に入れば本格的な夏の始まりですが、それまでもう少し、過ごしやすい日々も続くでしょうか・・。 ところで以前、1本の茎から2つの花が咲く、珍しい双頭蓮の
コラムを書きましたが、今回は「古代蓮」についてです。

古代蓮、つまり古い蓮のことなのですが、なんと2000年前のものです。
そもそも昭和26年に、千葉県千葉市の土から、そのハスの実が発見されました。
ハスの実というのは楕円の形をしていて、意外に大きいです。
どんぐりのような感じでしょうか?
実は私、山口県岩国市の生まれで、家の周囲は広い蓮畑でした。
ハスの実は小さい頃から大好きで、よくおやつ代わりに食べていました。

ところで、千葉で発見された実は3粒でしたが、その内のひと粒について、
後に発芽に成功し、昭和27年、花を咲かせることができました。
このハスは、ハスの実を発見した大賀一郎博士(別名ハス博士)の名をとって、
以降、「大賀ハス」と呼ばれています。
なお、博士が発見した場所の近くにはハス池があるのですが、
毎年、美しい花が咲き、人々の憩いの場所となっています。
また、大賀博士は岡山県出身の方ですので、
皆さんもよくご存じの後楽園などでも見ることができます。

2000年前の蓮の花、つまり飛鳥時代よりも古い、
ということは、年代的に見て縄文時代や弥生時代の頃に咲いていたのでしょうか、
何だか時空を超えたロマンを感じますよね。

実はこの大賀ハス、山口県の周南西緑地公園でも見ることができます。
6月は菖蒲で有名な公園ですが、7月中旬くらいからハスの花が咲き始めます。
その数、2000株といいますので、見ごたえがありますね。
薄ピンクの清楚な花を咲かせる大賀ハスは、夜明けとともにゆっくりと開花し、
9時頃には閉じてしまいますので、午後には見ることができません。
そして、約3〜4日ほどで花びらが落ちてしまうため、毎年多くのカメラマンが
シャッターチャンスを狙います。

また、埼玉県の行田市に「古代蓮の里」というところがあるのですが、
こちらもまた、古い蓮の花を見ることができます。
昭和49年、新しい焼却場施設を作るため、掘削工事をした後、
水がたまって池ができたのですが、偶然にも蓮の実が自然に発芽し、
これまた自然に花を咲かせたとのことです。
ハスの生命力には本当に驚いてしまいますが、
研究によりますと、このハスは、1400〜3000年前のものだろうと言われ、
大賀ハス同様、非常に古い蓮の花ということになります。
泥の中からあのような美しい花を咲かせるハス、
今年ももうすぐ開花するでしょう。
皆さんも機会がありましたら見に行かれてみて下さいね。

ちなみに行田市で咲くハスは「行田蓮」と呼ばれて、
市の天然記念物にも指定されています。

さて、私たちが仕事で訪ねる奈良のお寺などで仏像の台座に
蓮の花が使われているのをよく見ますが、
蓮華座、蓮台と呼ばれて、特に如来像や菩薩像の台座に多いようです。
古くから極楽浄土に咲く花といわれ、
泥の中にあっても茎を伸ばし、花を咲かせ、実をつける、
蓮の花は、まさに人の一生にもなぞらえて、
悟りの象徴と考えられてきたのですね。

↓大賀ハス

(2019.05.29)

 
 
   
 
 
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