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2019年08月のバックナンバー記事

希少な貴腐葡萄が9年ぶりに!
皆さん、こんにちは!
今年も観光シーズンが近くなってきましたね。
ここ数年、毎年のように紅葉の時期も様々ですので、
さて、今年はどのようなシーズンになりますでしょうか・・?

ところで私はとてもワイン好きで知られているのですが、
秋になると、どんな葡萄が収穫されたのか、興味深くなります。
お仕事でもワイナリーがコースに入っていることも多く、
山梨県や島根県、岡山県、そしてもちろん三次ワイナリーにも、
それぞれ数回、行ったことがあります。

今年、注目すべきは三次ワイナリーで、何と!9年ぶりに
「貴腐ワイン」が発売されたことです。
三次ワイナリーでは、「TOMOE」というブランドシリーズがあり、
TOMOEとは、三次市の中心街にある赤い橋、巴橋に由来しています。
三次はご存じのように、「霧の海」で有名ですが、
江の川・馬洗川・西城川の3川が巴のごとく合流している、
そのさまから、橋の名前が巴橋と名付けられたそうです。
最下部に写真を掲載していますが、現在の赤いアーチ橋は、
昭和58年のもので、初めて架橋された明治の橋は木造でした。

この三次の独特な気候条件により、品質の良い葡萄が育つのですが、
中でも熟した葡萄に「貴腐菌」というものが付着する特殊な葡萄を
貴腐葡萄といいます。
貴腐菌がつくと、葡萄の中の水分が蒸発して糖度が限界にまで
濃縮されて、まるで干しブドウのような状態になります。
とはいえ、貴腐菌が付着するかどうかは非常に難しい条件があって、
貴腐ワイン作りを断念する年も多いですし、さらに貴腐菌がついたからと
いって、順調に貴腐葡萄になるわけではなく、
無事に貴腐葡萄になるか、あるいはカビとなって腐敗してしまうか、
のとても高いリスクが伴うとか。

今年、9年ぶりに発売となった貴腐ワインは
セミヨンとピノ・ノワールという種の葡萄から作られたのですが、
まず、貴腐葡萄そのものが世界でも希少である、というところに
注目しなければなりません。
貴腐葡萄の世界3大産地はハンガリー・フランス・ドイツです。
日本は湿度が高いため、非常に難しいといわれてきましたが、
1975年(昭和50年)、初めて山梨のサントリー登美の丘ワイナリーで
貴腐葡萄ができ、その3年後に貴腐ワインとして限定発売された時には、
本当に、世界中が驚いたそうです。
※サントリー・シャトーリオン・ノーブルドール1975

ちなみに貴腐ワインの最高峰といわれているものは、
フランスのシャトー・ディケム、葡萄の木1本からグラス1杯の
ワインしか絞れない、などともいわれて、非常に希少性が高いのです。
もちろん、葡萄の収穫年によって価格は変動しますが、
シャトー・ディケムで検索してみて頂けると良いと思います。

つまり、貴腐ワインを醸造するには、それほどの適した気候条件が
必要だ、ということなのですが皆さん、三次の貴腐ワイン、
とても興味深くなってきませんか?

そういえば、2016年に開催された伊勢志摩サミット、
皆さんも覚えておられると思いますが、その際に出された12種の
ワインの内の1本が、サントリーのノーブルドール貴腐ワインです。
デザートワインとして晩餐会にて提供されました。
ちなみに日本酒2銘柄は、参考までに記載しておきますね。
・乾杯酒/三重県伊賀市の大田酒造の「半蔵」
・食中酒/三重県名張市の滝自慢酒造「瀧自慢」

このように、貴腐ワインとは大変な苦労と手間がかかっているのですが、
三次でも、慎重を期して、ひと粒ずつピンセットで収穫するなど、
何より作る人たちの情熱が詰まったワインです。

2019年8月10日発売
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・TOMOEセミヨン貴腐2016
・TOMOEピノ・ノワール2015


↓こちらの写真は三次市の巴橋です。


(2019.08.30)

 
 
   
 
 
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