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2020年08月のバックナンバー記事

説明はリズムとフレーズが大事!?
皆さん、こんにちは!
まだまだ暑い日が続いていますが、通常ならば秋の観光シーズンももうすぐ!と
楽しみな時期なのですが、コロナ禍の現在は不安も大きく、先の見通しも心配です。
一日も早く、活気ある観光地を取り戻せるよう、今は祈るしかありません。

そして、今だからこそ、改めて勉強に時間をあてるガイドさんも
いらっしゃることと思いますが、今回は「説明におけるポイント」について
お話してみたいと思います。
よく、「石の上にも3年」といいますが、やはり3年くらいまでの間は、
どのように文章を組み立てて、それをどう覚えれば良いか、コツがわからず、
難しいことと思います。

私が常々感じること、それはリズムと、教本の文章を覚えようとするのではなく、
重要なポイントをつなげてフレーズにすると、比較的覚えやすくなるようです。

私はバス会社に入社した時から京都が苦手で、
5、6年経ってもやっぱり苦手で(笑)、とうとう2年間、定期観光バスに就職し、
通常ではわからないことを、本当に勉強させていただきました。
ただ、お寺はもちろん、お庭などの説明を覚えるのは確かに大変でした。

例えば、下記に知恩院の下車説明より、一部を書き出してみました。
まず、以下の3つのポイントについて説明しなければならない時、

〇知恩院はいつ建てられたのか?
・・・約800年前です。
〇誰によって開かれたのか?
・・・法然上人です。
〇知恩院の宗派は何ですか?
・・・浄土宗の総本山です。

このように質問形式にしてポイントをメモして抜き出すと覚えやすいですね。
それを、実際に口で説明する時には、下記のようになります。
  ↓↓
こちらが今から約800年ほど前、法然上人によって開かれた浄土宗の総本山、
知恩院の山門でございます。

つまり、ひとつのフレーズにして、文章を組み立てます。
しかも、あまり長いフレーズではなく、リズム的に40〜45文字くらいが
覚えやすいのではないかと思っています。

では次に進みましょう。

〇山門はいつ建てられたのか?
・・・1616年です。
〇誰によって?
・・・徳川秀忠です。
〇重要な文化財ですか?
・・・国宝です。

だいたい3つくらいのポイントをフレーズにすると良いですね。
こちらは以下のようになります。
 ↓↓
こちらの山門は1616年、徳川2代将軍、徳川秀忠の寄進によるもので、
現在、国宝に指定されております。

続いてやってみましょう。

〇高さはどれくらいですか?
・・・34メートルです。
〇この山門は有名ですか?
・・・京都3大門のひとつ
〇京都3大門のあと2つは何ですか?
・・・南禅寺の三門と仁和寺の二王門です。

これは簡単ですので、もう以下を見なくても、自分でフレーズを
作ることが出来たのではないでしょうか?
 ↓↓
山門の高さは34メートル、南禅寺の三門・仁和寺の二王門とともに、
京都3大門のひとつでございます。

それでは最後です。

〇上に額がかかっていますが、何と書かれていますか?
・・・華頂山です。
〇どなたのご宸筆ですか?
・・・零元天皇です。
〇大きさはどのくらいですか?
・・・畳3枚分です。

額の大きさについては、それほど大きく見えませんが、や
何と、のような言葉を添えるとわかりやすくなります。
 ↓↓
正面にかけられている「華頂山」の額は、零元天皇の御宸筆で、
ここからですと、それほど大きく見えませんが、
何と、畳3枚分もあるそうです。

これで、知恩院の山門の下車説明を覚えました!

-----------------
こちらが今から約800年ほど前、法然上人によって開かれた
浄土宗の総本山、知恩院の山門でございます。
1616年、徳川2代将軍、徳川秀忠の寄進によるもので、
現在、国宝に指定されております。
高さは34メートル、南禅寺の三門・仁和寺の二王門とともに、
京都3大門のひとつです。
正面にかけられている「華頂山」の額は、零元天皇の御宸筆で、
ここからですと、それほど大きく見えませんが、
何と、畳3枚分もあるそうです。
------------------
※参考:通常、三門と書くことが多いですが、
 知恩院の場合は「山門」です。

こちらが、知恩院の山門です。
実際に声に出して、練習してみて下さいね。
そして、説明する際には、すべて同じ速度ではなく、
質問形式にした答え(ポイント)の部分は
強調するように、ゆっくり言いましょう。



京都の場合は、特にそうなのですが、
風情を出すために、最低3つくらいは歌を覚えておくと良いと思います。

例えば、知恩院の拝観が終わり、バスに戻って出発後、
このように使用します。
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「月影のいたらぬ里はなけれども眺むる人の心にぞすむ」
800年の歴史を刻む浄土宗の総本山「知恩院」をあとにいたしまして、
車は(バスは)間もなく四条通りへと出て参ります。
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その他には、下記のように使います。
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京なら祇園 祇園といえば円山といわれたこちら、
円山公園でございます。

春は花 いざ見にごんせ 東山
色香あらそう 夜桜や

百花繚乱、咲き乱れる夜桜の美しさは・・・

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とりわけ吉井勇が詠んだ、こちらはぜひ覚えましょう。

かにかくに 祇園は恋し 寝る時も
枕の下を 水の流るる

また、説明文(フレーズ)の作り方として、
こちらが〇〇です。が最初にくることが殆どですが、
対象物を最後に持ってくる方法もおすすめです。
車中で、対象物までの時間を調節しながらの説明は
上級技ではありますが、ガイドさんらしい説明になりますね。

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今から350年ほど前、出雲のお国が京都に参りまして、
江戸時代中期より、四条河原には多くの芝居小屋が立ちましたが、
今ではこちら左手、南座だけが、名残りをとどめております。
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新人ガイドさんの場合、こうしたフレーズは、実際のお仕事に行っての
ぶっつけ本番では難しいので、最近はインターネットで写真も
たくさんありますし、活用して練習してみて下さいね。

また次回、覚えておくと便利なフレーズをご紹介いたしますね!
(2020.08.31)

 
 
   
 
 
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