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2021年12月のバックナンバー記事

金閣寺の大改修について
皆さん、こんにちは! 今年もあと一ヶ月となりました。昨年に引き続き、今年もコロナ禍の1年となって本当に大変で、来年こそ!と願うのは誰しもと思いますが、心の底からそのように思うのは人生初めてかもしれません。

さて、昨年12月に京都の金閣寺が平成の葺き替え修理を終えたことは、
皆さんもご存じかと思いますが、
今回は、その件を少し掘り下げてみたいと思います。

現役のガイドさんは、今回が初めてお聞きになる金閣寺の大改修かと思うのですが、金閣寺はそれ以前にも何度か大改修を行っていて、前回は2002年、さらに1955年です。

1950年、昭和25年の7月に学僧の放火により全焼するという
悲しい出来事がありましたが、1955年に再建されています。
皆さんはこの出来事以前の金閣寺の写真をご覧になられたことがありますか?
私も驚いたのですが、再建以前は金箔が殆どなかったのですね。

昭和30年の再建工事では2kgの金、およそ10万枚の金箔が使用されたとのこと、
総工費は約3,000万円だったそうです。
ところが、その10年後くらいまでに徐々に金箔が剥がれてきたり、
紫外線で傷んだりしてきたため、
1987年に漆や金箔の張り替え、天井画の復元などが行われました。
この時の総工費は約7億4千万円。何と殆ど金箔代金だったとか、
私はこの時のいわゆる昭和の大改修について、
金閣寺をご案内する際には毎回ご説明させて頂いていましたが、
金箔は通常の5倍の厚さのものを枚数にして約20万枚、
これは重さにして20kgになります。
また、漆は約1.5tが使用されました。
20kgと聞いても、何だかピンとこないと思いますが、
金箔というのはものすごく伸びます。
わずか1gの金箔を薄〜く伸ばすと1uにもなるお話は有名です。

そして次の改修は2002〜2003年にかけて、
この時にも金箔の一部補修と屋根の吹き替えが行われました。
金閣寺の屋根は、サワラの木の薄い板を張り合わせたもので、
こけら葺きと呼びますが、寿命がだいたい20年くらいだそうですね。

さらに昨年の2020年12月、
こけら葺きの屋根の吹き替えを行いました。
2020年の9月頃にスタートし、12月29日に新たな姿を公開しています。
サワラの板は約10万枚の葺き替えでしたが、
今回は屋根のみではなくて、鳳凰や細かい部分の補修も行ったとか、
10cm四方の金箔1万枚を使用したそうです。

金閣寺の屋根なのですが、葺き替えした時はオレンジがかった黄金色、
という感じなのですが、やはり雨風で少し黒ずんでくるみたいですね。

ということは、葺き替えから日が経っていない金閣寺は
その時しか見ることが出来ないので、ぜひ行ってみたくなります。



(2021.12.29)

 
 
   
 
 
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