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2022年11月のバックナンバー記事

日本六古窯のひとつ、丹波焼とは?
皆さん、こんにちは。早いもので今年も残り少なくなってきましたが、
ようやく冬らしい寒さが感じられるようになりました。
スキーなどの屋外スポーツも良いですが、ポカポカ暖かい家の中で
お料理に勤しむことにも興味が出始めています。
そして、お料理と共にお皿などの「うつわ」を楽しむのも好きです。

私がかつて関西で仕事をしていた頃、信楽焼や、瀬戸焼、九谷焼など、
陶芸で知られる各地へもよく行きましたが、もともと焼物を見るのは
好きで、ドライバーさんはビールの泡がとても細かくて美味しくなる、
という陶器のグラス、私は無類のコーヒー、特にウガンダ種など
アフリカのフェアトレードコーヒーを取り寄せたりするので、
とにかくコーヒーカップをあちこちで買います。

最終的に、日本六古窯に指定されている窯元にはすべて訪れて、
制覇したと思いますが、何といっても素朴な、土の匂いが
感じられるような焼き物が好みですね。
皆さんはいかがでしょうか?

私の中でのお気に入りは、どう考えても立杭焼です。
そういえば今では丹波焼と呼ぶ名称にに統一されていますが、
なるほど丹波焼と言った方が兵庫県の丹波!とすぐに思い浮かぶので、
そちらの方が親しみやすく感じます。
そんな丹波焼といえば、平安時代からの古い歴史を持っており、
その頃は「小野原焼き」と呼ばれたそうです。作られていたものは
「すり鉢」などでしたが、江戸時代になると、壺をはじめ、
徳利や茶器など種類も増えていきました。
どちらかというと、日々の生活に密着したものが多い印象ですね。

ここで、日本六古窯についておさらいしておきましょう。
車中でお客様にお聞きしてみると意外にご存じな方も多くて
声が上がるので嬉しくなりますが、ヒントを出しながらクイズ形式に
してみると、さらに興味を持って考えて下さるようです。
日本六古窯とは、信楽焼、備前焼、瀬戸焼、常滑焼、越前焼、
そして丹波焼です。
さて、日本六古窯の中で最も古いのは何でしょう?
それは、信楽焼です。
ちなみに、日本三大陶磁器は、美濃焼・瀬戸焼・有田焼(伊万里)です。
お客様が必ずあてて下さるのは「有田焼」かと思いますが、
九谷焼という声も多く上がります。

一般的に「陶磁器」というのは土を使って練って焼くもので、
「陶器」と「磁器」に分かれます。
陶器は粘土質の土で、どちらかというと低温で焼かれます。
一方、磁器は、ガラスのような石(陶石という)を使って高温で焼きます。
美濃焼・瀬戸焼は陶器、有田焼は磁器に分類されます。
この磁器に分類されるものに「九谷焼」があるのですが、
日本三大陶磁器には入っていません。

さて、丹波焼のお話に戻ります。
江戸時代以前では、釉薬は施されていなかったという丹波焼なのですが、
江戸時代に入って積極的に用いられるようになったそうです。
釉薬、つまり「うわぐすり」ですが、陶器につや、光沢が出ることと、
表面に水などの液体が染み込むのを防ぎますので丈夫で長持ちする、
というメリットがあります。

焼成されることで、ガラス状の薄い膜を張ったような感じになるので、
あ〜、と皆さんも何となく思い浮かべて頂いていることでしょう。
丹波焼の場合、「灰被り」といって、灰がうつわの上に降りかかって、
釉薬と相まって様々な表情に変化するという特徴を持っているのですが、
といいますのも、丹波焼は60時間など、焼成時間がとても長く、
焼成される間に炎のあたり方によって、独特な「自然釉」が発します。
60時間といいますとほぼ2日半くらいですね。もちろん80時間くらい
焼成することもありますが、こうして長時間、しっかりと
焼締められて頑丈なものが出来上がるのもポイントです。

山の斜面を利用した登り窯で、薪は「松」を使用し、
最高温度は1300度にも達します。
窯出しの瞬間は本当に緊張の一瞬でしょうね。炎と釉薬の
化学反応によって、一体どのようなものが出来上がるのか、
考えただけでもワクワクしてしまいます。
丹波焼の原料となる土は、少し赤茶色っぽい色なので、
それもまた良いですね。
ちなみに、安土桃山時代までは穴窯、江戸時代に入ると登り窯が
用いられるようになり、現在、窯元は約60軒ほどあります。

毎年、秋(10月頃)に「丹波焼陶器まつり」が開催されているのですが、
チャリティオークションをはじめ、それぞれの窯元が作品を、
軽トラックに載せて販売する「軽トラ市」というのもあります。
来年は私も行ってみたいな〜と思っています。

丹波焼 最古の登り窯
 ↓↓


(2022.11.10)

 
 
   
 
 
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