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美しいスイレンとモネが愛した庭
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皆さん、こんにちは。 7月に入ってから早くも猛暑の日が続いていますね。 私はどちらかというと夏が苦手なので、まだ夏が始まっていないのに秋を心待ちにしています。 暑い夏、皆さんは涼しく過ごせる工夫を何かしていらっしゃるでしょうか、 私は今年、眺めているだけで、少しでも涼しさを感じられるのではないかと、 スイレン鉢にトライしてみました。 最近はスイレン鉢キットというものがあって、 何と、メダカもついています! 水の中で育つので、水やりを忘れた!なんてこともないですし、 初心者にはピッタリですよね。 睡蓮(スイレン)の花が咲く季節は、概ね5〜10月頃です。
ところで、スイレンとハスは具体的にどう違うのだろう、と 考えたことはございませんか?
まず、植物学的にはスイレン科とハス科に分類されるとのこと、 そして、花の咲き方も少し違うのです。
スイレンの花は、水面に浮いたように咲くか、 若干、水の上に伸びて咲きますが、花が終わると水中に沈んでしまいます。 葉っぱは丸くて少し切れ込みがあって、よくカエルのイラストに描かれているような 葉っぱのイメージでしょうか、水面に沿って浮かぶような感じですが、 水は弾きません。ハスとの見分け方としては、 葉っぱの外周がハッキリしていて、ツルツルっとした感じです。
一方、ハスは水面から高くグンと伸びて、その先に比較的、大きな花が咲きます。 葉っぱも同じように、伸びた茎に大きく広がっています。 ハスの葉は水を弾きます。 ハスの花については、これまで大賀ハスなどの記事を 何度か書いたことがありますが、縄文時代の実が見つかったりと、 古代ロマンを感じずにはいられませんが、清らかさといいますか、 本当にいつまでも見ていたくなる、ハスの花がお好きな方も 多くいらっしゃるのではないでしょうか? ハスの葉っぱは、スイレンと反対でツルツルっとしておらず、 切込みもなく、何だかお皿のようです。 その上に水滴が乗ると、水を弾くため、コロコロっと転がります。 「ハス」という名前は、花が咲いた後に上戸のような形状の 花托(かたく)というそうですが、ハチの巣のようなので、 「ハチス」が「ハス」になったとか伝えられています。 花托の中には実がたくさん入っているのですが、食べることができます。 私が生まれた家は広大なハス畑の中にあったので、 幼い頃は、おやつとして、この実を取り出してよく食べていました。 コリコリっとして栗のようでもあり、とても美味しいです。 漂ってくるほどではないですが、 ハスの花のみずみずしい香りも好きでした。
ガイドさんの場合、もしかしたら行かれたことがあるかもしれませんが、 スイレンと言えば最近思い出すのは、やはりココです。 それは、高知県の北川村にある「モネの庭」。
画家のクロード・モネの絵画、「睡蓮」は有名ですね。 モネは、何枚も構図の異なる睡蓮の絵を描いていますが、 晩年に描かれた、風景というよりも「睡蓮の咲く池」全体の1枚があり、 私も好きな作品のひとつです。 東京の国立西洋美術館に行くと見ることが出来ます。
モネ自身が、この睡蓮の池がある庭を1から作ったそうですので、 いかに睡蓮を愛していたかがわかりますね。 睡蓮の花の中でも特に「青い睡蓮」が好みだったとのことですが、 青睡蓮は熱帯性で、フランスの土地ではなかなか栽培が難しく、 温室まで準備して栽培したものの、遂に咲くことはなかったとか。
北川村の「モネの庭」には、その青い睡蓮が咲きます。 高知県は暖かいので、それは納得ですね。
この「モネの庭」、もちろん、フランスのモネの庭を 真似て作ったものではありません。 実際に庭を管理されていたジルヴェール・ヴァエ氏による指導で、 本当に素晴らしい、そのクオリティには圧倒されます。
趣きが異なる3つの庭に分かれていて、 それぞれ、景観を楽しみながら散策できます。 この、モネの庭は2000年に開園しているのですが、 農薬を出来る限り使わず作庭されているとのことで、 環境に配慮している点も素晴らしいですね。
以前、ニュースで見たのですが、 絶滅が危惧されている植物が8種見つかり、 これほどたくさん自生するのは大変珍しいそうです。 このニュースを聞くだけでも、 どれだけ丹精込めて作庭されているかがわかります。 私も睡蓮の花が咲く頃、また訪れてみたいと思っています。
あ、そうそう 北川村のモネの庭に入場する際に頂くチケットですが、 フランス ジヴェルニーの「モネの庭」と共通なんだそうです。 チケットを大切にとっておいて、 いつかフランスに行った時に訪ねてみたいですね!
北川村の「モネの庭」とスイレン鉢の写真を 掲載させていただきます。 ↓↓
(2023.07.20) |
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