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2023年09月のバックナンバー記事

映画のロケーションでも有名なお寺
皆さん、こんにちは。今年の夏は本当に暑かったですね。
京都在住の友人に聞けば、もうさすがに引っ越そうかと思うほど暑かったそうです。
北海道の札幌でも今年は36.3度の最高気温を記録したそうですので信じられません。
どこか涼しく過ごせるところはないかと、もう既に来年の夏が心配になっております。

さて、今回はその京都の友人宅へ訪問したついでに、随心院を訪ねてきました。
随心院のことはガイドの教科書にも掲載されているので、よく知っていたものの、
実際には一度も行ったことがありませんでした。
皆さんもご存知の通り、小野小町が晩年を過ごした場所、と伝わるお寺です。
小野小町の化粧井戸と名付けられた、小町が朝夕に使ったといわれる井戸があるのですが、
これは想像していた以上に立派な、大きな井戸で驚いてしまいました。

随心院は小野小町が過ごしたと伝わるのですが、
墓所については、小野小町終焉の地といわれている補陀落寺(別名:小町寺)にあります。
また、小町が90歳頃の像があることでも有名です。

小野小町は平安時代前期の歌人ですが、私が一番先に覚えた歌は、
「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に」です。
おそらく、皆さんもそうなのではないでしょうか?
百人一首にもありますし、何よりガイド教本には必ず記載してありましたよね。
何となく覚えやすかったように記憶していますが、
平安時代の歌ですと、藤原道長が最も印象的でした。
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば」
この世は私のための世だ、という部分が、
どれだけの権力を誇ったのだろう?と、とても興味を持ったのを思い出します。

「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせし間に」です。
自分が年齢とともに衰えていくことと、鮮やかな桜の花の色が徐々に薄く、
色褪せていくことを重ねて嘆いている様子を表現しているのですが、
小野小町は絶世の美女といわれたので、小町らしい歌ともいえますね。

しかしながら、小野小町に関しては、秋田県湯沢市で生まれ育ち、
13歳頃に宮中に上がって仕えますが、36歳頃に湯沢へ戻り、晩年を過ごしたという説が
有力とされています。
※墓所についても全国、様々な説が残っています。

ところで随心院について、もうひとつお話したいのは、仏師「定朝」についてです。
※「じょうちょう」と読みます。

定朝は、平安時代後期に大活躍した仏師なのですが、
随心院には、同じく平安時代後期に作られた重文指定の阿弥陀如来坐像が安置されています。
これは定朝様とされていますが、作られた年代からみても、非常に興味深く、
今年の春に特別公開があったようなのですが、残念ながら行くことが出来ませんでした。

定朝が作った中で現存する確実な作品は、平等院の木造阿弥陀如来坐像が唯一とされていますが、
それまで、飛鳥時代の頃から一木造が主流だったところ、
この定朝が、寄木造りを編み出したといわれています。

その頃、仏師の中でもトップクラスだった定朝には、相当な量の
仏像制作依頼があったのではないでしょうか、
一木造りだと、原木以上の大きな仏像は作れませんし、何より運ぶのに重たすぎる、
その点、寄木造りですと、頭や腕、足部分などパーツごとに異なる木材を用いるので、
極めて効率が良く、しかも内部を空洞にすることが出来るので軽くて運びやすい、
このような大きなメリットがあります。
当時、定朝の工房?はとても大きくて、たくさんの人が働いていたようなので、
この方法は画期的だったのではないかと思います。
現代風に考えると、何となくプラモデルのような感じにも思えます。
※そんな簡単なものではないのですがすみません。。

ぜひ、平等院を訪れた際に想像しながら見て頂きたいのは、
右肩・左肩・頭部〜胸部・足などパーツごとに別木材で作られていて、
足部分は木材を横に寝かせた状態で彫り上げられています。
そして、内部は空洞です。
大きな木を探して来ずとも、効率的に製作できるようになった寄木造り、
定朝は本当にすごいことを編み出したのですね。

最後に随心院のお話に戻りますが、
このお寺は、私も佇まいというのでしょうか、
境内の景観も素晴らしいですし、数々の映画ロケーションにも使用されています。

最近では「るろうに剣心」「本能寺ホテル」、
私も好きな映画のひとつで、描写がとても美しい「最後の忠臣蔵」などです。
あ、「十三人の刺客」や「舞妓はレディ」にも使われたそうです。


こちらの写真は、随心院です。
上の写真が小野小町が朝夕、顔を洗ったという化粧井戸です。
思ったよりも大きくて立派な井戸でした。
↓↓

(2023.09.23)

 
 
   
 
 
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